会社破産をした後に仕事はしてもよいか
1 会社破産後に仕事をすること自体には問題ありません
結論から申し上げますと、会社の破産をした後、仕事をすることはできます。
むしろ、会社が破産すると経営者の方も収入を失いますので、生活を維持するためにも働く必要があります。
経営者の方が会社の連帯保証人となっていて、会社破産とともに自己破産をせざるを得ないことも多いです。
この場合、個人の財産も失うので、なおさら収入を確保する必要があります。
経営者の方も自己破産をする場合であっても、破産手続き開始決定後に得た金銭等の財産については、自由に使うことができます。
会社破産後に仕事をするというのは、大きく分けて就職をする場合と、新たに事業を開始する場合が考えられます。
それぞれのケースについて注意すべき点がありますので、以下詳しく説明します。
2 就職をする場合
就職することで、月々給与が入るため、安定した生活を確保することができるようになります。
経営者の方も自己破産をする場合、破産手続きを開始して復権を得るまでの間は、就くことができない職業がありますので注意が必要です。
一例としては、警備員や保険外交員、宅地建物取引士などが挙げられます。
多くの場合、免責許可決定が確定することで復権し、職業制限はなくなります。
ただし、免責許可決定が確定するまでは数か月間かかりますので、直近の収入を確保するためには、制限されていない職種に就く必要があります。
3 新たに事業を開始する場合
個人事業主として事業を行う場合と、新たに法人を設立して事業を行う場合とが考えられます。
経営者の方も自己破産をしている場合、信用情報機関が管理している信用情報に事故情報が登録されますので、個人事業における事業資金の借入れや、新たな法人の連帯保証人になることは困難になります。
自動車など、事業用の機材をローンで買うこともできなくなることが通常です。
また、法人を設立する場合、出資金や事業用の機材の状況によっては、破産手続きの際に申告していなかった財産が存在したことを疑われる可能性もあります。
破産手続きの際には財産隠しをしないことを前提に、新たに設立する法人の財産については、破産手続開始後に取得したものであることを説明できるようにしておくことも大切です。